日帰り肛門手術とは
当院では日帰り肛門手術を行っております。
お子様がいらっしゃったりお仕事が休めなかったり等で入院ができない方、まずはご来院いただき、日帰り手術の適応になりうるかご説明できればと思います。
多くの施設で断られがちな肛門皮垂(スキンタグ)切除についても、なるべくご希望に沿いたいと考えております。
1.手術予約
手術説明、術前の採血検査などを行います。現在内服中の薬を確認致します。
2.手術前日
夕食は夜9時までに済ませてください。
水分(お茶やスポーツドリンク等)は自由にとっていただいて結構です。
普段の内服薬については手術予約時の指示に従ってください。
3.手術当日朝
水分(お茶やスポーツドリンク等)摂取は手術1時間前までとなります。
万が一の術後の出血に備え、しばらくは濃い色のお召し物を推奨しています。当日はガーゼが多少かさばるのでなるべくお尻周りがゆったりとした服をお勧めしています。
眠くなる薬を使用するため、当日は自転車や自動車などをご利用はできません。電車やバス、タクシーなどでの受診をお願いしております。
4.来院後
ご来院後、まずは肛門部にテープ麻酔を貼付します。
約30分後、手術室にご移動いただき、手術開始となります。
- ※麻酔について
- ご来院後、まずは局所麻酔の針の痛みを少なくするための痛み止めテープ麻酔を貼付します。テープ麻酔が効いてきたところで、点滴から痛み止め薬(鎮痛剤)や眠くなる薬(鎮静剤)を投与し、本番の局所麻酔を行い手術を開始致します。 術後も痛み止めの坐薬を使用致します。
5.手術
うつ伏せになっていただき、通常10-20分で終了します。詳しい手術内容については事前にご説明致します。 通常、溶ける糸を使用するので抜糸はありません。
6.手術後
術後ベッドでお休みいただいた後、止血確認を行います。 術後の内服薬や軟膏、生活の注意点、創部のケアの方法などについての説明後、ご帰宅となります。
7.帰宅後
ご帰宅後はできるだけ安静に過ごしてください。 生活の注意点は下記の「生活の注意点」をご参照ください。
8.術後診察
通常、術後1週間後、1ヶ月後、2ヶ月後と通院していただきます。遠方でなかなか術後のフォローに来院しづらい方等、診察の頻度は経過にもよりますのでご相談ください。
※お尻の傷は、便が毎日通ることなど特殊な部位であり、通常の傷より治癒まで時間がかかります。傷の大きさや排便状態によっては完治まで2ヶ月程度となることもあるため、術後何度かの通院が必要となります。
9.生活の注意点
術後激しい運動や腹筋に力がはいるような作業は最低2週間は控えていただきます。 旅行や出張に行かれると、万が一のときの対応ができませんので、日程予約の際ご注意ください。飲酒により創部が腫れやすくなるのでこちらも最低2週間お控えください。
※安静の程度と期間は手術の内容にもよります。
翌日よりシャワー可、出血が治まっているようであれば、翌日より入浴も可能です。肛門手術の場合、創部を温めていただいたほうが疼痛も取れ傷も治りやすいです。
肛門手術は、通常の経過でも特に術後数日は腫れやすく、便秘や下痢、長時間の立位座位など、いわゆる「痔になりやすい」状態では更に腫れやすくなります。なるべく、日常生活範囲内の負荷にしていただければと思います。
※ご自宅で用事がないときは横になってゴロゴロしているほうが治りやすいです。
なるべく術後腫れないよう最善の手術を行いますが、創部の経過は術後の生活にも影響を受けますので、ご協力お願いいたします。
日帰り肛門手術 | |
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料金の目安 | 30,000〜50,000円前後 |
Q&A
痛みは?
上記のように、肛門手術は術後腫れやすく、患者様にもよりますが、その期間(ピークは術後数日~1週間)は、やはりそれなりに痛いこともあります。
また傷が完全に閉じるまでは2ヶ月くらいかかることもあり、それまでは排便の時の「ピリっ」とする感じはどうしてもゼロにはなりません。
内服薬や場合によっては軟膏を使用していただくことで、また排便コントロールで硬すぎずゆるすぎない便を作ること等で、術後の痛みはある程度コントロールできますが、痛みの感じ方は人それぞれです。もちろん術後の痛み止めの薬も複数種類ご用意し、なるべく痛みが最小限にすむように準備しております。
赤ちゃんのお尻みたいになる?
お尻の手術は、術後の経過でケロイドのような傷の盛り上がりができやすい場所です。また術後の創部の腫れが引いた時点で多少の凹凸が残ることがあります。なかなか「赤ちゃんのお尻」のようになるのは難しいです。
手術では「赤ちゃんのようなお尻」を目指し綺麗に仕上げますが、術後経過で「傷の周りの盛り上がりや凹凸」が目立ってくるようであれば、術後診察時に「トリミング(追加切除)」を行い形を整えさせていただく場合もあります。
ただ必要以上に切り過ぎると肛門皮膚が突っ張ってしまうこともあり、追加切除をご希望された場合でもデメリットのほうが大きい場合はその旨ご説明いたします。